【日本プラスト株式会社様】UPCYCLEによってタイトなスケジュールの中でも適正価格での調達を目指す

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左から IB戦略室 調達課 小林様、常務執行役員 購買本部長 錦織様、購買部 第一調達課 竹内様

企業について

―― 御社の事業概要について教えて下さい。

錦織様 弊社は1948年創立の自動車部品の製造会社になります。発端はプラスチック、樹脂のメーカーとして日産自動車株式会社の吉原工場に対してハンドルなどを納入するところからはじまった企業です。今では北米、アジアと海外拠点が12拠点あり、日本と海外を合わせて約1,000億円の売上があります。

 

主には安全部品というステアリングホイールやエアバッグ関係、内外装部品を製造しております。内装部品だと自動車の室内の天井以外の手に触れられるところは大体取り扱っています。
また、外装部品では、スポイラーやタイヤ周辺の部品などを製造しており、プラスチックの加工技術を中心として製品を展開しています。

 

昨今では、CASE(※)に代表される電気自動車や自動運転など業界が大きく変わってきています。ハンドルについては、引き続き機能としては無くならないと考えていますが、一方で形状がすごく小さくなったり、あるいは飛行機のハンドルのような形状に変わったりと想像もつかないような変化が想定されており、そうした変化に対応していく必要があると感じています。

 

※:CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)を軸にした自動車業界における技術革新の潮流を表す言葉。

調達・購買部門について

―― 購買部門の概要と皆様のお役割について教えて下さい。

錦織様 我々の部門は、樹脂に関連する原材料、プレス部品やシール、ガラス、電池、ビス、電装部品、火薬、繊維といったものを調達しています。

現在、購買本部に25名在籍しており、国内に20名、海外拠点に5名の人員がおります。
弊社には従業員が約1,000名いますが、同規模の企業と比較すると、購買部門の人員体制は必ずしも十分とは言えない状況です。そういった中で様々な仕組みをうまく使って、仕事をよりスムーズに正確にやっていきたいと考えています。

また、私自身の役割としては部長職として組織全体のマネジメントに加えて、発注先選定や発注単価の決定権限を持っています。

 

竹内様 私は部品の窓口業務を担当しています。設計部門から見積もりの依頼を受けて、サプライヤーから受領した見積もりの精査をした上で、取りまとめを行っています。

 

小林様 私はエアバッグやインフレーターに関する購買業務を行う部署に所属しており、竹内と同じく部品の窓口業務を行っています。

 

―― 経営観点から見たときに、購買部門にはどのような貢献が求められていますか?

錦織様 我々が期待されていることとしては、適正な価格で買うこと、そしてしっかりと売り買いの中で利益を出すことに貢献していくことです。その管理をしっかりとやっていくことを購買担当者には求めていますし、経営からも求められていることです。

人材の流動性が高まっている中で、引き継げる形でデータを活用できるようにすることが必要だった。

―― 購買業務においてどのような課題があったのでしょうか?

錦織様 我々のお客様である完成車メーカーでは様々なコストに関するデータが蓄積されています。
例えば、ある部品のネジが1つあたり3円であるのに対して、異なる部品ではそのネジが4円になっているといった比較が一目瞭然にできるように、いろいろなコストのデータを比較できる仕組みを有しています。
一方で我々は、そのような業務に際しては昔ながらの紙で管理をしてるのが現状でした。

 

また、この3~4年で人事異動などを含め人の入れ替わりが多く発生しました。購買本部の25名中10名くらいが購買経験が3年未満になっていたり、新任管理職が2名ほど他部門から異動してきたばかりという状況にあります。

 

そうした人の流動性のリスクが高まっている状況下では、業務で取り扱う情報を活用できるデータとして残しておかないと、見積比較をすることすらできなくなってしまうと感じていました。それぞれが紙やExcelで保有はしているものの、それを人の流動性に耐えうるよう、引き継げるようにしなければならないというのが一番の課題だと考えています。

 

まずは見積書を比べるだけでも良いんです。その後に、明細情報に着目して「工数が長いんじゃないか?」「短いんじゃないか?」 、あるいは部品番号が近いものと並べてみると、「この部品ではこんな材質を使っているのか」など色んなことを考えることができるようになると思います。そういったことを実現しようとした際に、やはり見積書をデータ化して活用することが必要であると強く感じていました。

竹内様 小林と私は昨年入社したばかりで、最初は知見があまりない状態なので、経験が長い先輩にこれと似た見積書は無かったかと聞いていました。
経験のある方々は「このフォルダに似たような見積書があったな」というように記憶を辿りながらながら情報を探すことができていますが、そういった経験のある人が少なくなっていったときにどうなるのかというのが問題になっています。

CASEによる開発期間の短縮化と競争環境の激化によって、求められる時間も価格も厳しくなった

―― 課題感を感じるきっかけは何かありましたでしょうか?

錦織様 この3~4年で徹底されるようになったのですが、お客様である完成車メーカーへの見積回答の納期が本当に短くなり、2週間くらいでお客様に対して回答しなければいけなくなりました。

 

背景として、CASEの流れの中で自動車の開発プロセスがどんどん短くなっており、例えば中国の完成車メーカーは1年で車を作っていたりしています。そのような環境下だと、完成車メーカーによっては2週間で見積回答しないと、検討の俎上(そじょう)
にすら載せてもらえないということもあります。
また、これまでは同じ系列の中でだけ競争していたのですが、系列が崩れはじめてきており、外資系の企業や違う系列の企業と競合するようになってきています。本当の意味で競争時代がはじまってきており、求められる価格も時間も厳しくなっていると感じています。

 

そうした中で、お客様に対して2週間くらいで見積回答をしようと思うと、購買部門には実質1週間くらいしか時間がないんです。サプライヤーとやり取りをしてとなると、1日でもらった見積もりを評価しないといけません。そうすると、紙で保管している見積書の中から昔のこのファイルの中にあったかもしれないと比較対象を探している時間は現実的に無いんです。

 

また仮に回答をするだけであれば、目をつぶってサプライヤーからもらった見積もりをそのまま出すということもできるが、そうするとエラーがあったり、「なんでこんなに高いの?」と聞かれた時に誰も答えられないということが発生してしまいます。極端な話ですが、右から左に流すだけであれば購買部門が要らないのではとなってしまいます。そうした中で、サプライヤーからもらった見積もりを解析する手助けとなるものの必要性をこの3~4年で痛烈に感じるようになったのがきっかけです。
我々としては、お客様に対して見積もりをいかに早く正確に出すのかというのが大変重要になっています。

 

―― そうした状況下でシステム導入の検討以外で、何か取り組まれていたことはありましたでしょうか?

錦織様 例えばエアバッグについては設計から見積依頼が来るであろうタイミングより前に、事前にいろんな下準備をして、購買担当者もある程度は理解できている状態にするようにしています。ただ、それが内外装部品で同じことができているかというと、件数が多すぎてなかなか難しいです。専門性のある部品については前のめりでそういった取り組みができているのですが、そうでないものは出てきたものを待っているというような状況になってしまっていました。

査定の部分を強化できることと加工部品に強いシステムであることがUPCYCLE導入の決め手となった

―― UPCYCLEご導入の決め手は何だったのでしょうか?

錦織様 御社以外のシステムとも比較しながら検討していました。
ずっと議論していたのは見積依頼の部分に注力するべきか、それとも見積査定の部分に注力するべきかという点で、結論として見積査定にフォーカスを当てることにしました。

 

弊社でやりとりをしているサプライヤーは120社ほどいます。業種毎でみると毎年2~3社程度しか新規のサプライヤーは入ってきません。
特に静岡を中心とした地場のサプライヤーとの付き合いが多い中で発注先もある程度、限られているため、見積依頼の業務は慣れています。
そのため、どのサプライヤーに見積依頼を出すかという部分をシステム化するよりは、出てきた見積回答に対して、時間が厳しい中でいかに査定を強化できるのか、という仕組みを求めました。

 

また、もう1つの観点としては、カタログ品に強いシステムか個別品(プレス品をはじめとした加工部品)に強いシステムかという点があり、UPCYCLEのほうが我々が調達している個別品では力を発揮するだろうという2点で導入を決めました。

 

―― システムを検討するうえで苦労されたポイントはありますか?

錦織様 実は設計部門でも部品構成情報を管理する仕組みを持っていましたので、それがあるのになぜUPCYCLEが必要なのかという部分がなかなか理解されなかったです。
しかしながら、その仕組みでは購買部門として実現したいことが十分に叶えられないため、別にシステムを構築したほうが望ましいと判断しました。

 

そうした中で、UPCYCLEでは「こういう情報もすぐに見れますよ」と設計に丁寧に説明できたことによって、ここまでの仕組みを社内で用意するのは大変だということを理解してもらうことができました。

急速な外部環境の変化に対応するためには、システムを内製するのでは限界があった

―― 内製や、カスタマイズでシステムを外注する選択肢もあった中で、なぜUPCYCLEを採用いただいたのでしょうか?

錦織様 この10年、自社で実は色々なシステムを内製で開発してきました。ただ、自社でやっていると世の中のアップデートについていくのが難しいと感じていたんです。特に昨今の製造業のDX化の流れのなか、自社で開発したシステムがどんどん陳
腐化してきてしまって、世の中の変化に対して自力では対応できなくなっています。
その変化にいかに対応するのかという点で、外の力を頼って、その都度ベストな選択をしていくというのが重要であると考えています。

 

今後、扱うデータ量もどんどん増えていくでしょうし、そうするとバックアップの対応なども含めて自分たちでシステム運用していくことは非常に大変です。そういう意味で情報システム部門がクラウドサービスの採用に賛成してくれていたことは大きな後押しになりました。

 

改めて、良いシステムをその時々のタイミングで、2~3年を周期に評価して、常に良い仕組みを求めていくことが大事だと考えています。

UPCYCLEによってタイトなスケジュールの中でも適正価格での調達を目指す

―― 最後にUPCYCLEの活用の狙いと今後の展望を教えて下さい。

竹内様 タイトなスケジュールに対して、我々の中で見積もりをしっかりと作って出せるようなシステムの使い方ができればと考えています。そのためにも、過去の見積もりを正しくデータ化していき、データベースを構築していくことが重要だと思います。

 

小林様 1年前に未経験で購買部門に中途で入った私としては、経験や知識が不十分だとしてもシステムを使って、すぐに見積査定ができるようになると良いなと思っています。

 

錦織様 期限を守って、適正な価格で買いたい、この事に尽きるかなと考えています。
時間がどんどん短くなっている中、その期限に遅れないようにするには、出てきた見積もりに対していかに早く、しっかりと解析したうえで、良い悪いの判断をできるかが重要です。「これは適正な値段だね」とか、あるいは「ここはこれくらいの値段になるはずだ」と、我々の中で素早く答えが出せるようにしていきたいと考えています。

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