【川崎重工業株式会社様】見積データを蓄積・活用することによって分析力を高め、コスト競争力の強化を目指す

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左から 調達第二部 機器調達二課 田岡様、調達総括部 総括部長 理事 小西様、 調達第二部 機器調達二課 課長 高谷様

企業について

―― 御社の事業概要について教えて下さい。

小西様 

弊社は、航空宇宙システム事業、車両事業、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業とパワースポーツ&エンジン事業を展開する総合メーカーです。

 

そして精密機械・ロボットカンパニーには精密機械とロボット、2つのディビジョンがあり、我々は精密機械ディビジョンに所属しています。精密機械ディビジョンでは主にショベルやクレーンといった建設機械向けの油圧機器を製造しています。

 

我々の精密機械ディビジョンは、建設機械向けの油圧機器に注力しており、最初は日本の建設機械メーカーでご採用いただきました。その後、1990年代頃から韓国のメーカーにも展開していき、さらに2005年頃から中国の著しい経済発展を見据えて事業を展開していったことで、中国市場でも大きなシェアを獲得しました。

 

特に中国では、鉄道や高速道路といったインフラの整備を政府主導で一気に進めたタイミングで建設機械の市場が伸びたため、当社も大きく売上を伸ばすことができました。

 

ただ、直近は中国国内の油圧機器メーカーも台頭してきており、中国市場における競争は激しさを増しております。

加えて、近年の中国の建設機械市場は不動産バブルやインフラ整備で好況でしたが、最近はかなり落ち着いた状況になっています。

 

そのため当社の建設機械向けビジネスはかつてのように売上が伸びず、かつ競合が増えたことでグローバル競争の激化が進んでいる状況です。

調達・購買部門について

―― 購買部門について教えて下さい。

小西様 まず、組織構成ですが、精密機械ディビジョンの調達組織として調達総括部があり、その下に調達第一部と調達第二部、そして購買業務管理課があります。

 

また、人数は調達総括部全体で約70名在籍しています。

 

調達品については金属加工品が多くを占め、鋳物、鋼材、ボルトなどの購入品があります。

 

また、売上に占める調達費の割合が比較的高いという特徴があります。

―― 皆さまの役割についても教えて下さい。

小西様 調達総括部長として、事業や業務の方向性を示すことが役目であると考えています。カンパニープレジデントやディビジョン長と共に、このディビジョンをどうしていくのかという議論を重ねる中で、調達部門としてやるべきことが定まっていきます。その方針を調達部門のメンバーに対して熱意を持って説明し、理解と賛同をしてもらい、そして部課長からメンバーに対して何をやるべきなのかについて展開してもらいます。このような情報共有や展開というのを促進する事が役割であると考えています。

 

2024年度より新たに調達総括部が創設され、「Challenge & Passion」というスローガンを掲げて、「みんな前向きに明るく失敗を恐れずやりましょう」、「何でもチャレンジしましょう」という思いを皆さんに伝えて風土を変えていこうと取り組んでいます。

高谷様 私は小西総括部長から出された方針・方向性を踏まえて、QCDを最適化するための戦略を立案することが役割です。

 

例えば今年度でいうと、コストダウンをどのように実現させていくのか、どのような手段を用いるのかについて、メンバーと検討していきます。また、調達圏の再構築、調達先の品質改善をどのように取り組んでいくのか等といった戦略的な部分を担当しています。

 

それらに加えて重要なのは、 サプライヤーとタッグを組んでやっていくので、会社と会社の信頼関係をしっかり高めていくことが自分の役割とも考えています。

 

最後に人材育成についてですが、各担当者が高いモチベーションを保って、より高い技術を身につけてもらえるようにサポートすることも重要だと考えています。

 

田岡様 各担当者には、担当製品が割り振られており、私の担当製品は油圧バルブの組立完成品で、構成品として鉄、アルミ、樹脂、ゴム、鋳造、射出成形など様々な作り方をしている部品があるため、それぞれに精通している必要があります。

 

冒頭に話がありましたとおり、  QCDをバランスよく高めていくということが重要視されるようになっていますので、適正価格を見極め、高い品質で、安定的に調達ができるかを考えながら業務にあたっています。

海外メーカーとの競争が激化し、コスト競争力の強化が必要な中で、見積査定力が課題だった

―― 購買業務においてどのような課題があったのでしょうか?

高谷様 精密機械ディビションは2011年にかけて事業が急激に成長しました。私は2011年に中途で入社したので、まさに急成長の最中だったんです。その後、中国の不動産バブルが落ち着き、一時的に売上が下がった時期もありましたが、その後は売上は回復しており、長い目で見ると売上は成長してきました。

 

冒頭でお話をした通り、我々の取り扱い製品は売上に対して調達額の比率が比較的高いです。そのため、売上が急激に伸びるような時期における調達の役割は、既存のサプライヤーから、求められる量の調達品をタイムリーに調達できるかや、新しいサプライヤーをいかに開拓できるのかといった調達圏を広げることが主業務でした。そのため、業務のウェイトの多くを納期フォローが占めていました。

 

ただ、2020年頃から中国の市況もある程度落ち着いてきて、かつ中国や韓国のローカルの競合他社が成長してきたことで、価格勝負が必要となる製品も増えてきました。そのような環境下では、調達の役割というのは、従来の調達圏を広げるというよりも、いかに競争力を高められるかに変わってきました。その一つとして、コスト競争力を高めていくことが非常に重要な役割になってきました。

小西様 その時々の市況によって、調達に要求されるものは違います。急速な成長期では、いわゆる作れば売れる時代でした。そのため、作れる量を確保するために調達圏を広げることが大事だったわけです。ただ、今のように市況が落ち着いている時期は、コスト競争力を高めることが重要になります。調達コストを検討するには、各サプライヤーから見積もりを高い精度で取得することになるため、見積業務の負荷が高くなっています。

高谷様 まさに、2018~2019年頃、調達部門のミッションの変化というのを考えている中で、今後の役割はコスト競争力の強化が主になっていくと思っていました。それを実現するには、やらないといけないことがいくつかあり、その中に見積査定力の強化というのがありました。しかし、いざ取り組もうと思ったとき、見積に関するデータが個人持ちで属人的に管理されていて、まずはその課題を解決したいと考えていました。

10数年前は、50~60歳前後のベテランのバイヤーが多く在籍していました。その方々は調達品の値段を本当によく分かっていて、この製品の作り方は「どういう工程で」、「こういう設備で加工して」、「材料はだいたいこのくらい」というのが頭の中にあったんです。一昔前は、そういったノウハウをベテランの方々から教えてもらいながら業務にあたっていたんですが、ベテランの方々もどんどん退職されていくなか、私のような中途を採用しながら急速に組織を大きくしてきました。そうすると、調達業務の経験はあるもののコスト分析力のような専門性が足りておらず、見積査定力に欠けているという状況になっていました。

 

特に、ここ数年は非常に多忙かつ、メンバーの入れ替わりもあり、ノウハウがなかなか蓄積されませんでした。

―― 日々、見積査定業務をされている田岡様はいかがですか?

田岡様 見積業務は、大変な部分がどうしても多いです。見積依頼もただメールを送信すればよいのではなく、見積依頼先を決めるために、社内で上長からそれぞれ承認印をもらってPDFにまとめていく作業があります。見積回答が返ってきてからも、間違いはないか、他と比較して価格に違和感がないか等、いざ査定するとなると大体1件当たり30分~1時間くらいは掛かります。

―― そのような状況の中、どんな工夫をされていたのでしょうか?

高谷様 属人的な業務になっているということは以前から社内で声が上がっており、業務の標準化や、データ保管方法の統一など、色々と改善活動に取り組んだのですが、結局はしっかりと定着しませんでした。もちろん、幅広い業務に忙殺されてしまうというのはあるのですが、どうしても自分のやり方で業務に取り組む人が多かったのだと思います。

見積EDIではサプライヤーに見積回答してもらうことが難しかった

―― 調達業務の中でどのような課題があったのでしょうか?

高谷様 先程お話した業務の属人化の問題や、査定力の強化を考えていたときに、たまたまA1AのRFQクラウド(※)のウェブサイトを見かけて興味を持ち、最終的にRFQクラウドの導入をしました。


おかげさまで、導入から4年が経過してデータが蓄積されてきたのですが、そのデータをどう活用して、コストダウンに結びつけていくのか、また一部の人は使ってくれるが、使ってくれない人もいるという課題が発生しました。

(※) A1Aが2018年の創業当初から提供していた「RFQクラウド」という見積EDIのクラウドシステム

田岡様 RFQクラウドを導入させていただいたときは、40名で契約しましたが、実際に1年後にそれを使っている担当者は半分程度になっており、システムが定着したとは言い切れませんでした。

 

定着しなかった理由の1つはシステム上でバイヤー指定のフォーマットで見積もりを受領するための下準備が必要だったことです。例えばこういうフォーマットで回答してくださいといった準備が必要だったり、条件ごとに個別に設定をしたりなどの作業が非常に大変だったことです。

 

2つ目は、RFQクラウドはサプライヤーにシステム上で見積回答をしていただくEDIの仕組みだったので、 つい最近知り合ったサプライヤーにいきなりシステムで回答してもらうという一連の流れを提案しにくかったり、手軽さがないという面が難しかったと思います。

小西様 私は今年度(2024年度)から調達に在籍しているのですが、こちらの指定のフォーマットで回答してもらう必要があるというのは、逆にサプライヤーの方々にとってはやりにくい部分があったと聞いています。そのため、システムに見積査定で活用できるデータが結局貯まっていかないという課題があったと認識しています。

手軽さと守備範囲の広さが導入の決め手だった

―― そういった中で、弊社から新たにUPCYCLEをご提案させていただきましたが、他のシステムもご検討されたのでしょうか?

田岡様 1番最初に御社の話をまず伺って、その後に別の2社からも提案を受けました。

―― 製品を選定される際に重視されていた選定基準はありましたでしょうか?

田岡様 選定基準としては、まず、どれだけ手軽に使えるかというのがありました。さらに、社内において皆共通のシステムで見積書を保管し、活用できるといった守備範囲の広さが大事だと考えていました。

―― UPCYCLEを選定された決め手は何だったのでしょうか?

田岡様 率直に言うと、他の2社と話していたら、本当に中身も触り心地も見積EDI形式のRFQクラウドと似ていたんです。そのため、その2つは選択肢から外しました。

 

また、A1Aの営業担当の方と機能のすり合わせをする中で寄り添っていただける感覚をすごく実感できたので、御社にお願いさせていただこうと考えました。

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様々な企業の声を踏まえた外部のソフトウェアを使うことで、自社の業務を進化させていく

―― 貴社の企業規模でしたら、例えば内製という選択肢もあったと思うのですが、いかがですか?

小西様 基本的に内製のシステムは難しいと考えています。自社開発だと、カスタマイズもできるし、自分たちの仕事のやり方にあわせられるというメリットはあります。ただ、プログラミングの言語や技術がどんどん変わっていく中で、システムをメンテナンスできる人がいなくなってしまうという問題があります。

 

もう1つ難しい理由は、カスタマイズできるということが落とし穴で、システムをカスタマイズするということは、自分たちの仕事のやり方がそのままだということです

 

以前、私は設計担当だったのですが、その際にITベンダーのPLMのシステムを導入した際、ソフトウェアにあわせて業務のやり方を変え、業務が改善するということを経験しました。

 

そうしたこともあって、カスタマイズばかりやっていると業務の進化がないと考えています。

UPCYCLEによって、データを活用した適正価格での調達を実現したい

―― 最後に、UPCYCLEに期待すること、どういう業務を実現したいかについて教えて下さい。

高谷様 お話しさせていただいたように、まずは見積データの蓄積を引き続き行っていきたいです。活用できるデータをいかに蓄積させていくかが非常に重要で、これが価値になっていくと思っています。

 

また、今まで属人的に見積書を管理していたので、分析や比較のために見積書を探すのにかなりの時間を要していましたし、前任者に確認するようなことが発生してしまっていました。異動で担当者が替わっても、見積書の探索時間を削減し、隣の課が何をどれくらいの価格で買っているのかがすぐわかるような状態を実現したいです。

そして、これが一番重要だと考えていますが、我々が競合他社と競争して生き残っていくには、コスト競争力をいかに高めるかというのが重要になっているので、見積書の詳細分析をしっかりとやっていきたいです。

 

先日、小西から調達部に向けて来年2025年度の調達方針の説明があったのですが、いわゆる「適正価格での調達」をしっかりやっていこうという話がありました。

 

私も同じことを思っていて、今までは類似品の価格比較をしたり、A社とB社の単純な比較で安い方を優先するとうことをやってきました。

 

ただ、今後はそうではなく、「この製品はいくらで買うべきなんだ」ということを、我々がしっかり査定できるようになっていきたいと考えています。その理想にどのように近づけていけるかは、見積明細をしっかりとUPCYCLEにインプットしてデータベースを構築し、比較できるようになったら良いと考えています。

 

最後に、我々が今後さらにコストダウンをしていくには、グローバル調達も積極的に推進していく必要があると考えています。

 

UPCYCLEは英語や中国語の見積書にも対応できる形になっているので、活用の場は広がっていくと思います。

田岡様 UPCYCLEに期待していることは大きく2つです。

 

1つ目は、今まで持っていなかった切り口の分析ができるようになると良いなと思っています。

 

コストダウン強化の方針が掲げられるようになってから、5年ほど経過していますが、それは今後も続いていくと思っています。そうなると、 自分が得意としていた切り口や着眼点からの分析、コストダウンというのは、どうしても原価低減余地が枯渇していってしまうので、もっと違う視点や発想でコストダウンを実現できるきっかけが必要だと考えています。

 

そのためには、データを簡単に活用できるシステムを使うことで、思考の幅が広がると思うので、そういった点も期待しています。

 

2つ目は見積査定業務がとにかく大変なので、業務自体に抵抗感を持っている担当者がいるんだと思います。

 

このシステムを使って手軽さのような感覚を持ってもらい、見積に対する抵抗感を軽減して、楽しく取り組めるようになれば良いなと思っています。

 

小西様 先ほど高谷が言ったように、相対評価ではなく、いわゆる絶対評価。この図面なら、この材料なら、この工程なら、この価格になるというのをしっかり分析できる調達メンバーが増えるよう、調達部内を改革していきたいと考えています。

 

特に調達の経験が4~5年ほどの若手が多いため、そういったメンバーがUPCYCLEを使うことでコスト分析の質が上がり、高い技術を身につけた組織になっていけば良いなと考えています。

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